Friday, July 8, 2016

とんかつの作り方 v2.0 (2016 年版)



とんかつ作りを始めて、2 年半くらい経ちました。これまでに、概算で 500 枚は揚げたかも。とんかつの作り方は、以前にも書きましたが、途中経過で様々なコツが色々とわかってきましたので、現時点で再現性よく安定して美味しく揚げるための方法をまとめてみたいと思います。 温度は「摂氏」で説明しています。

[材料]

  • 豚肉ロース 厚さ 2 - 2.5 cm
  • 小麦粉
  • 卵 (肉 2 枚に対して、1 個程度)
  • パン粉 (市販品、アメリカにあるスーパーでも “panko” として普通に買えます)
  • サラダ油 1.5 リットル
  • 食パン、フランスパンのスライスなど、4 - 6 枚

[準備 1]

  1. 豚肉は、筋を丁寧に切り、ビール瓶などでよく叩きます。
  2. 豚肉に小麦粉をまんべんなく、むらなくまぶし、そのまま 10 分間バットにおいてなじませます。
  3. その間、卵を溶き、油を鍋に注いで加熱を始めます。油は、温度計で必ず計測しながら調理してください。
  4. 小麦粉をまぶして 10 分経過したら、もう一度小麦粉を軽くまぶします。
  5. そのまますぐ、卵に浸して、パン粉をまんべんなくまぶしてください。パン粉をまぶしたら、バットにおいて 5 分ほどおきます。

[準備 2]

  1. 油を 180 度程度に熱します。
  2. スライスしたパンを揚げます。両面がこんがりきつね色になるまで、2-3 分揚げてください。
  3. パンを油から引き上げ、砂糖などをまぶして揚げパンとしていただけます。
  4. こうしてあらかじめ、新品の油を使い古すことによって、本番でとんかつを揚げると仕上がりがカリッとなります。



[揚げる]

  1. 油の温度を、195 度程度の高温にします。
  2. 豚肉を、3 枚鍋に入れます。入れ終わったらすぐに、タイマーで 5 分間測り始めてください。
  3. 最初の 1 分間は何もしないで、観察してください。この間、油の温度が一気に 160 - 170 度くらいに下がってきます。160 度を切ると下がりすぎなので、熱容量を大きくするために油を足したり、投入する豚肉を 2 枚にしたり、揚げはじめの温度を 200 度程度から始めるなど、調節をしてください。
  4. 1 分経過したら、肉をひっくり返します。また同時に、コンロの火を若干強くし、ここから油温を徐々に上昇させてゆきます。というのも、油温が上昇している状態かつ、肉を引き上げるときの油温を 170 - 175 度の範囲にコントロールしたいからです (理想は 172 度くらい)。
  5. 2分30秒経過したら、また肉をひっくり返ます。このときの油温は、165 - 170 度くらいが理想です。
  6. 4分経過したら、肉をひっくり返します。このときくらいから、とんかつからパチパチと音が鳴り始めます。温度は、170 度を超えていますか? ここからは温度がじわじわ上がっているのが望ましいので、僕はこの段階で若干さらに火を強くします。
  7. 5 分経過したら、最初に投入した肉から順番に引き上げ、よく油を切り、網にのせます。このとき、すぐに肉を切らないように注意してください。
  8. コンロの火を、1. の時とおなじ強さに戻し、再度 195 度まで上昇させてください。
  9. 次のバッチは、また手順の 1 から 7 を繰り返してください。
  10. 網に載せた肉は、10 分程度休ませます。この時間は気温などにも左右されますので、まだまだ調査が必要です。
  11. 休憩が終わった肉から、ナイフで切り、お皿に盛り付けます。


[油温について]

あくまでも熱容量や、火力を十分に備えられない家庭でのコンロを使うことを前提としていますが、現時点での理想的な油温の変化です。美味しいとんかつを作るには、材料ももちろん大事ですが、それよりも「どのように揚げるか」の技がものをいうと思います。
  • 揚げる前: 195度 + 油温が上昇している
  • 肉投入から 1 分: 165度くらいに下がる
  • 1 分から、仕上がりまで: 172 度 (170 - 175度の間) くらいまでじわじわ上昇している状態で、肉を油から取り出すのが理想
油温を単純な piece-wise linear なモデル化をして、時間平均温度を計算すると、172.5度になりました。油温の空間的位置によるずれは、調理中に何度か油を撹拌していることもありほとんど無視できるものとして考えています。




多くのレシピ本では、とんかつはパン粉にまぶすなどした後、「170 度の油できつね色になるまで揚げる」としか書いていません。が、ちゃんと作ろうとすると、そもそも 170 度の温度を保つのは一般家庭の設備では物理的に無理ですし、揚げている間、前後でさまざまなコツ、技が要求されます。特に揚げ物は、もうちょっと正確にレシピは作って欲しいなといつも思います。



Monday, January 4, 2016

完全無欠ダイエット法で人体実験してみる (Bullet-Proof Diet)

久しぶりの投稿です。

今回は前回に引き続きダイエットについて。

約 2 年前に、いわゆる糖質を減らしたダイエットを実行して 7 kg 減らしたあと、さほど成果がでず、停滞しておりました。体重はやはり 60kg 台にしたほうが健康のためにも、スポーツのためにもよいと思い、ダイエット作戦第 2 弾となります。理想的には、体重もゴルフのスコアも 65 にしたい。。。 このダイエット開始前までの経過です:
  • 2014 年 1 月 1 日から, 糖質を夕食に減らすことを主体にしたダイエットを開始。78 kg から、3 ヶ月で 7 kg 減らす。
  • その後は、目立った効果がなく, 71 kg 前後を推移。
  • 2014 年末に、油断して 72 kg にリバウンド。
  • 2015 年は、72.0 kg 前後でこう着状態が続く。
友人から、下記の本を 2015 年 12 月に薦められて、すぐに読み、即日に実行を開始しました。

著者は、30 万ドル (3,600 万円) かけて、いろいろな食事、食品を試し、自分の体をハックして究極の方法を開発しています。

シリコンバレー式 自分を変える最強の食事 デイヴ・アスプリー (Dave Asprey) 

開始したのは、2015年12月15日。 

現時点で約 3 週間が経過し、およそ 1.5 kg くらい減りました (70.5 kg)。

年末年始のお酒やご馳走の誘惑の多い時期ということを考慮すると、この方法は評価に値すると言えます。実際のところ、この本で紹介をされている通りには、全部はフォローはしていないですが、この 3 週間は、次のように自分なりにアレンジしています。

今回は理論的にも興味深いもので、概要としては次のような方法になります:

(1) 朝ごはんは、バターコーヒー (完全無欠コーヒー) だけを飲む。

(2) 昼と夜ご飯は、野菜を多めにとり、たんぱく質は少なめ、炭水化物は夜ご飯にだけ摂取する (ように頑張る)。

(3) 昼と夜ご飯の間隔は 6 時間以内にする。(例えば、昼ごはんを 12 時に食べたら、夜ごはんは 18 時に食べる)

(4) 夜ごはんを食べ終えてから、翌日の昼ごはんを食べるまで、15 - 18 時間くらいは間隔をあける (例えば、夜ごはんを 7 時に食べたら、翌日の昼ごはんを 12 時に食べると、17 時間あきます)。これは「ファスティング(断食)」となり、体にはよい効果があるそう。しかし、どうしても空腹感に襲われるため、朝に完全無欠コーヒーを飲み、満腹感を与えると同時に、良質の脂質 (バターとココナッツオイル) を摂って補います。

(5) 水をこまめに摂取する。

(6) 前回のダイエットでも重要だった、ご飯を食べるときに、野菜 -> 肉などのたんぱく質 -> 炭水化物 の順番で食べることを心がけます。

朝ごはん




















完全無欠コーヒー (Bullet-Proof Coffee) と呼ばれる、バター (grass-fed cow butter) をココナッツオイルを飲む。このコーヒーを作るポイントは、ミキサーをつかって、完全にバターとココナッツオイルを泡立てて、ラテのような泡がしっかり立つ状態にすること。

著者は、バターをかじりながらコーヒーを飲む、という実験まで行っているそうですがぜんぜん効果はないそうで、泡立てに秘密があります。味としても泡立てたほうが、クリーミーなラテを飲んでいるようで美味しい。

コーヒーには、バター、ココナッツオイルの他に、カカオ 85% のダークチョコレートを 1 かけ加えています。 朝ごはんはこれだけで ok で、満腹感は、昼の 1 時くらいまでは続きます。 さらに、完全無欠コーヒーをとるようにしてから、ダイエット効果に加えて、仕事中の頭の働きがものすごく改善されました。集中力がまし、思考力もよくなっています。定量的な計測は行っていませんが、全く別人の脳を移植したかのように、頭の活動がスムーズです。数ヶ月後に体重がリバウンドしてしまったとしても、この朝ごはんは続ける価値があります。

昼と夜ごはん



著書では、できるだけ野菜を多くとり、「完全無欠メニュー」から好きなものを選んで食べること、とありますが、さすがに仕事をしながらマメに調理するのは無理なので、ファーストフードやレストランのメニューで効果がありそうなのを、テストしながら効果測定をしています。基本的には、不健康すぎない食品を食べ、またそもそも量を食べすぎないのが大事ですね。 減量によさそうな食べ物は、
  • Chipotle のサラダ (ステーキ、米なし、マメなし、アボガド追加)
  • Red Robin のハンバーガー、ただし lettuce wrap (protein style) + フレンチフライはケチャップをつけて食べる + ビール 300 ml 程度
  • Panda Express の野菜が多いメニュー x 2 (black pepper chicken など)、米/麺はほとんど食べない
  • Boudin のサラダ (Asian Chicken Salad が粘着質が少なくて効果的)
  • おせちりょうり (もちは 1 個まで)
  • ステーキ + サラダ + 赤ワイン 1 杯
  • Rock Bottom の ロブスター•エンチラーダ + ビール 300 ml (ワイン、ビールは 300 ml 程度だと全然 ok)

Red Robin で注文する典型的なハンバーガーです。ファーストフード系では、In-n-Out などでも protein-style と指定するとレタスに包まれたハンバーガーを注文できます。ポテトも普通に食べます。飲み物は、アイスティーか、ビール。


写真: Red Robin, Gourmet Cheese Burger, Lettuce-wrap (protein style) と、フライドポテト

おやつ



夕方前は、お腹がすくこともあり、次のようなものを食べました。食べ過ぎには注意ですが。。。
  • やきいも 1/2 個
  • チョコレート (クリスマスシーズン定番?の See’s Candy など 3 個くらいは ok)
  • ロールケーキやシフォンケーキ、生クリームは普段通りにデコレーションに使う

NG だった食べ物

逆に、前日と比べて体重が増加したものです:
  • すき焼き (白米は食べていない / そもそも食べ過ぎなだけだったかもしれない)
  • 春雨入りの麻婆豆腐 (恐らく春雨が原因)
  • 日本酒 (おちょこに 4, 5 杯、合計 150 ml 程度。米類を食べず、和風のおかずだけと一緒に飲んでも、体重が増えた。複数回確認。)
  • Boudin のクラムチャウダースープ (恐らく粘着質なスープと、パンが NG?)
  • オイリーなトマトソースのパスタ (レストランで出された量の半分だけに制限しても失敗)
  • レストランで注文した天丼 (おそらく、揚げ油が原因?)
  • パン類

以上は、体重の減少についてですが、この「完全無欠ダイエット」を試していてわかったのは、著者がいうように食品の種類によって、頭の活動や、眠気などもものすごい影響を受けているということです。どのようなものがあるかというと:
  • Panda Express: 気をつけて食べれば太らないものの、食べた直後は油分のせいか頭がぼーっとする。
  • Bear Craw: クマの手の形をしたパイ生地の中にアーモンドクリームが入ったペストリーです。おそらく中のアーモンドクリームなどの何かの成分のために、食べた直後から睡魔に襲われた。
  • ワイン: 蒸留の過程を抜かしていたり、防腐剤が入っているものは、頭痛や、皮膚のかゆみが飲んでから 30 分以内に発生。
  • インスタントラーメン: 量はコントロールするので、体重が減りますが、スープを飲みすぎると食べた直後頭がぼーっとしました。
  • 天丼: 揚げ油? が影響し、翌日の寝起きが非常に悪かった。
  • パン: 食べれば食べるほど、食欲が増し、すぐに次のご飯が食べたくなる。食べるなら夜にちょっとだけ。。。昼ごはんに手軽な Grilled Cheese を食べると夜ご飯をどか食いしてしまうので NG (涙)。

まだ NG かどうかテストが必要なもの

焼酎 (のライム水割り、芋焼酎):

飲んだ翌日は、寝起きがとても悪く、寝坊してしまいました。焼酎がわるいのか、水、氷、ライム、砂糖、そもそもアルコール度 25% が悪いのか、まだテストが必要です。

 


とんかつ

ぜひオリーブオイルで揚げて効果を見てみたい。



副次効果

以上は、減量に関する効果ですが、他にもこのような効果を確認しています。
  • 仕事の生産性の向上: 信じられないくらい朝から夜まで頭が冴えます。
  • 睡眠時間の節約: だらだら 8 時間寝ないといけなかったのが、6 時間寝るとすっきりします。尚且つ、早起きが苦にならず、前よりも眠りの質もよくなったように感じます。
あくまでも数字の上ですが、2 時間睡眠時間が減るだけで、[2 時間/日] x [365 日/年] / [24 時間/日] = 年間 30 日分、余計に時間を手にいれる可能性があります。

結論

  • 朝ごはんを「完全無欠コーヒー」にするだけで、1日の生産性が著しくよくなるのでオススメです。
  • 毎日何を食べるかによって、脳の活動や、睡眠の質に大きく影響する。
  • このダイエット方法を、30万ドル (3600万円) かけて、自ら人体実験を行ってハックした著者には脱帽である。
  • 朝ごはんに、チョコレートクロワッサンなどの甘いものを食べるのが好きな自分にしては、朝ごはんを食べないのがちょっと残念。

完全無欠コーヒーを作る

最強の飲み物です。減量していなくても、1日の開始にぜひこれを飲んで仕事にいつもとりかかりたいです。著者のウェブサイトにいくと動画で作り方が紹介されてありますが、うちでの作ったときの様子を写真に収めてみました。チョコレートはおまけなので、なくても ok です。ポイントはミキサー(ブレンダー) でしっかり泡立てることです。著者は、バターをかじりながら、コーヒーを飲んでみたこともあるそうですが、効果がないそう。

  材料 1 人前
  • 熱いコーヒー: 400cc くらい
  • 無塩バター (glass-fed cow butter): 大さじ1
  • ココナッツオイル: 大さじ1
  • カカオ 85% のダークチョコレート: 1カケ
以下、作り方と材料の写真です。


1. バターと、ココナッツオイル、チョコレートを先にいれ、出来立てのコーヒーを注ぎます。




2. ミキサーで充分に泡が立つまで、30 秒以上混ぜます。



3. 完成です。ミキサーを止めて、温めておいたマグカップに注ぎます。



普段使っているチョコレート。カカオ 85%。


ココナッツオイルです。$5 ~ $10 程度です。


Glass-fed cow butter です。Kerry Gold の Irish Butter になります。Trader Joe's などで $3 くらいで売っています。




(追記) 完全無欠 (?) 抹茶ラテ

コーヒーを切らしていたときに、代わりに抹茶で作ったラテです。完全無欠コーヒーが、ラテみたいなので、抹茶ラテと呼ぶことにしました。これも結構おいしいです。




材料
  • 熱湯: 2 カップ (400cc)
  • 抹茶の粉: 大さじ 1
  • 無塩バター (glass-fed cow butter): 大さじ1
  • ココナッツオイル: 大さじ1
  • カカオ 85% のダークチョコレート: 1カケ

コーヒー 2 カップの代わりに、2 カップ (400 cc) の お湯に大さじ 1 の抹茶をよく解かしました。



 バター (大さじ 1)、ココナッツオイル (大さじ 1)、チョコレート (1 かけ) は、完全無欠コーヒーと同じ分量でいれ、30 秒以上よく撹拌して完成です。





(追記) 30 日後

完全無欠ダイエットを始めて 30 日後、2016年1月14日の途中結果です。 10 年ぶりに 70 kg を切りました。BMI も 25 以下になっています。 体重: 71.75 kg ⇨ 69.15 kg (-2.60 kg) 体脂肪: 23.3 % ⇨ 20.4 % (-2.9 %) BMI: 25.4 ⇨ 24.5 (-0.9) 体脂肪を 19 % 台にし、体重は 65 kg くらいにしたいですね。


(追記) 60 日後

開始日より、60 日が経過した 2016年2月14日の途中経過です。 体重: 71.75 kg ⇨ 68.85 kg (-2.90 kg) 体脂肪: 23.3 % ⇨ 19.9 % (-3.4 %) BMI: 25.4 ⇨ 24.4 (-1.0)