2020 年 4 月 10 日 金曜日時点 (PST) で、Shelter-In-Place (以下 SIP) 開始宣言から、3 週間が経過しました。SIP の開始は、3 月 17 日 0:00AM でした。「ようやく陽性患者数の増加速度が緩やかになり (flattering the curve)、数のピークが 4 月中に来そうだ」と数値モデルを元に日々、カリフォルニア州知事などが発表してくれています。
患者数が減れば終わりではなく、検査方法の普及、治療方法の確立、ワクチンの開発が揃わなければ、また第2, 第3 の波がやってくることが十分にありえるため、2019年以前の生活に戻るにはまだまだ長い時間がかかると思っています。その間経済面でも相当の損害を被るため、忍耐と辛抱が続くはずです。
公共交通機関にしても、SIP 中は感染の恐れがあるため無料で乗車可能ですが、SIP 緩和/解除後は、運転手などの安全を確保しながらどうお金(現金)のやりとりをするか、何段階にもわたって、クリアしなければならない課題があります。
SIP 開始から、3 週間経って非日常が、新しい日常と化しつつあるのですが、どんなことが新しくなったかをメモしておきたいと思います。
(一人暮らしということもあるので、自己中心的な観点が多いかもしれないのですが、ご容赦ください。)
買い物に気を遣う Social Distancing を皆が守るようになり、特に食料品を買う買い物などは、そもそも買い物にいく回数を最小限にすべく、週に 1, 2 回を限度にしています。自分に移るというよりも、もし自分が他人に移してしまってはいけない、という観点からです。店内もあらかじめ、滞在時間および、歩数が最小化されるようにプランニングしてから行きます。ですので、まず買う物を列挙し、それらの物が店内のどこにあるか、それをどこのレジに並んでチェックアウトするか (self-checkout の利用が推奨されている) を、再帰的に経路を考えます。店もよく配置をしっているところがベスト。
と理想的に、いけばいいのですが、非日常な状況ではあまり冷静に考えるのが難しく、店内では第一に人に近づかないことを目標に動くと、歩き回る距離は長くなり、普段よりもうろうろしてしまっています。
デフォルトでマスク装着 (特に買い物)
ベイエリアはマスク装着は義務化はされていませんが、買い物をしにスーパーへいくと、90% の人はマスクをしています。今まで絶対にマスクをしないタイプの人たちまで、マスクをつけ、手袋をつけています。マスクをしていないと非国民的な雰囲気も出ています。
マスクの装着は、Social Distancing (6 フィート間隔をあけること) の代替ではありませんが、補助的な役割があるとして先週くらいから推奨されました。
こちらはフィンランドの複数の大学が行った数値解析。COVID-19 罹患者が咳をした場合に、ウィルスがどれくらい拡散するかを示したものです。
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おそらくスーパーマーケットのような陳列棚が並んでいる空間に、罹患者(右下)と、隣のレーンにもう一人が立っています (中央)。ウィルスは、床からの高さで色分けされていて、黄色が 3 m くらい、青が 1m 以下です。
右下、咳をすると 10 秒くらいで、3m の高さまで上昇します。
1 分が経過すると、隣のレーンにまでウィルスが飛んでいっています。COVID-19 のウィルスは大きさがインフルエンザよりも小さく、浮遊しやすいそう。
3 分が経過するころ、さらに隣のレーンまで飛散しているのがわかります。
5 分が経過したころ、ウィルスが罹患者の前の床 (青い粒) に積もっています。
これは、画面中央の人が、3 分間同じ場所にずっと立たずに移動していれば、感染が避けられ、やはり距離を取るのが大事。さらに、右下の罹患者がマスクをつけていれば、そもそもウィルスがここまで飛散せず、他人を罹患させてしまう可能性がぐっと減るはずです。そういった理由で、まず第一に Social Distance を徹底的に守り、さらにマスクをつけると拡散が防げるというわけです。
外出後は着替えとシャワー 外出後は全身着替えて、即座に選択し、シャワーで洗い流します。多い日は 4, 5 回シャワー浴びます。上記のシミュレーションの例もあり、コミュニティに対する責任もあり、念には念を入れた方がいいと思っています。
買ってきた物は可能な限り洗う オリーブオイルの瓶、プラスチックのパック、紙の容器、など、洗浄可能なものは、まずは買ってきたら洗って乾かします。もしくは、アルコールで噴きます。買い物袋や箱は、できるだけ車から出した直後に、ゴミ箱へ廃棄。
水で洗ったり、拭くのが難しいものは、ガレージで放置してから、整理整頓します。
郵便物は 24 時間放置 郵便でウィルスが罹患することはないと言われています。ウィルスは段ボール箱の表面で 24 時間生きるということもあり、郵便物はポストからとってきたら一旦ガレージなどで 24 時間放置。それから開封します。郵便物の場合、特に緊急性を要する内容も来ないはずです。
同様に、スーパーの買い物も、買ってきたらまずはガレージに放置するという家庭も少なくないようです。
(僕はそこまで徹底できていません。)
一般市民の場合、家にいることが最大の社会への貢献 (の一つ) 特に医学知識や技術、防護用品のストックや、商用レストラン施設のアクセスがあるわけでもなく、COVID-19 に対して何か貢献できるといったことがないのですが、有効な治療法やワクチンがない今の状況では、一人一人が規律をもって拡散しないということが最重要で、予防する唯一の方法です。アメリカのほぼ全土で SIP を実施した結果、やはり効果が出ていることが実証されはじめています。
他にできることといえば、寄付や情報拡散などでしょうか。。。
病院には絶対にいけない 2 つの理由があります。医療リソースが限られている中、いま病院でお医者さんの手を煩わせるわけにはいきません。病気、交通事故、虫歯などが起こらないよう、健康と安全を良い状態に保つのが今後長期間にわたって必須です。もう一つの理由は 2 次感染の確率がどうしてもありえることです。
そのためにはよく寝て、よく食べ、運動しなくてはなりません。
幸いにも運動で外出は OK なので、なるべく毎日走る、歩くようにしています。あとは室内でトレーニングしています。プランク、スクワットと、素振り 100 - 200 回とか。
精神面も大事なので、"Cast Away" (Tom Hanks) とか、"I Am Legend" (Will Smith) といった系の映画はなぜか Netflix の recommendation filter に出てきても見ない方がいいです。
働きすぎる + 曜日感覚が薄れてくる 家にいる時間が長いと自然と机に向かって仕事をしてしまい、寝る以外は仕事をしたり、計算をしたりと、頭が常に働いている状態になりがちです。さらに、曜日感覚がおかしくなり、月 → 月 → 火 → 火 → 水 → 木 → 金、毎日が平日化しました。全体的にオンラインへ向かう人や企業が増えたこともあり、仕事量が増えたこともあるのですが、時間の使い方に規律を設けないと、だらだらと非生産的な働き方になってしまいそうです。
そうすると、やはり土、日は、机に向かわないことをするというのが一つの策で、
徹底的に大掃除をする 時間のかかる料理をする(豆煮るとか) 長距離走る 紙の本を読む といったデジタルから離れる方法をがんばってとるように努めています。が、、、まだまだ理想と現実は離れています。
ドアノブなどの金属面を磨く COVID-19 ウィルスは金属の表面には、72 時間生きることもあるらしく、ドアノブなどのよく触る金属表面、冷蔵庫のドア、オーブンの取手など、定期的に消毒液でふきます。
ドアを開けるときは、ヒジや足などで、手で直接触らないで開けられる場合は、手で触りません。
洗濯機はほぼ毎日回すし、掃除の頻度があがるしで、以前よりも家の中が綺麗になりました。
会社へは、business ownerとして、給与処理やリモートワークをしてくれる社員のサポートのなどのために最低限行くことがあります。その際もビルの入り口、オフィスのドアは消毒液で毎回消毒します。
(社員の方々は、3月の SIP 施行の 1 週間は前からリモートワークにしています。)
トイレへ行くときも消毒液をもって、ドアや便座を消毒してから、使用します。使用後も消毒し、ドアノブは紙で触るようにし、極力素手で触らないようにします。建設や電気工事の会社は結構出勤しているようなので、トイレの消毒はお互い必須です。
体重と体脂肪が減る謎 家に籠ることになり、体重が増えると思っていたら、逆に減少、体脂肪も徐々に減ってきました。会社でおやつの間食がなくなったり、宴会がなくなったり、お酒を飲む量が減ったなどの食べる量の変化が原因と思います。減ったといっても激痩せする体質ではないので、この 3 週間で 2 kg、体脂肪は 2% くらい減りました。
人に会わない日々が新しい日常 買い物や運動にいけば人とはすれ違うので会わないわけでありませんし、ビデオ会議を通じてお互いに顔を会わせる場面は毎日あります。が、物理的に知人、友人などと顔を会わせることがゼロになりました。この状況が新しい日常、普通のことになりつつあります。
とても変な間隔ですが、現状では、接触率を下げるのがウイルス感染を止める唯一の手段なので仕方ないです。
非日常が新しい日常になることを受け入れる(少なくともしばらくの間) 5, 6 月ごろになると、SIP が徐々に緩和されてくるとも噂されていますが、いきなり元の様には戻ることはないはずです。第2, 第3の感染拡大もありえますし、テスト、治療法、ワクチンが揃うのが必須。生きるか死ぬかの局面なので、多少の不便や、そもそも 2019 年末の元に戻るというよりも、新しい世界になるのかもしれません。
Thank You Healthcare Workers
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