Saturday, July 5, 2025

天麩羅 | アメリカでもぜんぜん揚げれます


今年初の天麩羅です。

アメリカ飯まずい → 御愁傷様、可哀想 (チーン) 🙏 と言われ続けて 20 年。

アメリカで天麩羅、全然作れます。むしろ油、小麦粉、卵は豊富にあるし、カリフォルニア州は農業大国ということで野菜も豊富。とんかつも同様で、油、豚肉、小麦粉、卵、塩だけで作れるので、これも国や地域に依存しにくい料理かと。

天種を工夫すれば、油の単価、キッチンスペースなど優位点が多いので実は調理しやすいです。

特に SF Bay Area は、材料の入手という点でも、かなり恵まれた環境だと思っています。


... というアメリカの飯事情は決して不味いわけではない、という擁護でございますが、今日は天麩羅です。



基本的な指針としては:
  • 魚介類は冷凍パッケージを利用する
    • 海老は、Trader Joe's, Costco, Safeway など各スーパーに売ってる冷凍パック。大きめのがよい。
    • かき揚げには、Trader Joes などにある “seafood mix” が使いやすい。
    • 鮮魚コーナーがあれば、刺身用のパックを使うのも良い感じ
  • 野菜はいわゆるアメリカ系スーパーでもいいし、日系、アジア系スーパーで揃う
    • たまねぎ、にんじん、ズッキーニ、なす、ねぎ、かぼちゃ、さつまいも、等です。
    • さつまいも、かぼちゃは日系スーパーで買うのがいまのところベスト。
    • Farmer’s Market があればそれでも良し。
  • 油は、Safeway, Costco などで買えるものでOK。
    • 天麩羅屋で使うような、高級ごま油は要りません。
    • 新品の油を使うのが大事。
    • 油 0.75 リットルにつき、提供できる人数が 1 人の計算。なので、4 人だと 3 リットルくらいの鍋と油が目安。
  • 小麦粉は、”Cake Flour” を買えば万全。
    • Cake Flour はグルテン含有量が最も少ない、いわゆる薄力粉です。
    • 「天ぷら粉」は不要。
    • All Purpose Flour, Bread Flour はグルテンが多すぎるので失敗します。
  • 鍋は、深手で表面積が大きい鍋があればバッチリ。
    • 渡米時に Walmart で買った鍋を 20 年くらい使っていました。
    • 揚げ物用の銅鍋は、あれば便利だけど必須ではありません。
  • 天ぷらは基本、塩でいただきます。
    • 天つゆは、鰹節、醤油、味醂が必要なので、ここはアジア系スーパーの出番です。
  • 調理自体は 2~3 時間。準備は大体 4 時間。片付けは 2 時間。




今日の材料はこちらで揃えました。

Costco
  • 海老 (冷凍)
Safeway 
  • Cake Flour
Marukai
  • 野菜類
  • ほたて (刺身用)
  • 味醂
  • 醤油
その他
  • 鰹節は東京で買ってきたもの


天ぷらに使うのは薄力粉。Softasilk が cake flour でタンパク質含有量が 8%で一番少ない。これと全卵と水だけで、天ぷらの衣が完成します。All Purpose Flour は10%程度のタンパク質含有量があり、フリッター向き。


この箱絵パッケージから、とても白い粉が入っているとは想像ができません。Red Velvet Cake 制作キットかと思っていました。



今日の天種

天種は、11種類です。

えび



天麩羅の最初はえびと決めてます。

Costco の大型冷凍えび。えびは、冷水につけて解凍し、殻をむいて、背腸をとり、筋を切ってまっすぐに伸ばします。一人につき 2 尾。185 ℃で揚げ始め、175 ℃は下回らないように温度管理。浮いてきて、大きめの泡が出て、箸で押した時の抵抗が軽くなったころが仕上がり。


ししとう



Marukai や Hankook Market で買うししとう。たまに辛いのもありますが、ご愛嬌。洗って、ペーパータオルで丁寧に水分を拭き取り、つまようじなどで、3 箇所穴を開けます。穴を開けるのは、膨張した空気を逃すためのベント穴。衣は薄め、175 ℃で揚げます。




なす



濃いめの衣、180 ℃くらいから、4 切れづつ揚げます。なすには天つゆがあう。


たまねぎ



薄くスライスした玉ねぎを、小麦粉をまぶし、卵液をまぜ、エビと同じくらいの衣の濃さ(感覚的には、中濃度)にします。上手い人は、薄い衣できれいに形を作れるんですが、ある程度濃度が高い方が形を作りやすいです。鍋肌を転がして丸く揚げます。かき揚げは、温度が 180 ℃を超えて高すぎると散らばってまとまらず、温度が低いとべちゃべちゃな仕上がりになり、結構難しいです。


にんじん



天ぷら近藤の真似。だけど、真似が難しい。そもそもにんじんをきれいに薄く切るところから至難の業。これでも、人参を甘く美味しくいただけます。



しいたけ



Marukai のしいたけ。濃いめの衣、175 ℃。



ほたて


刺身用のホタテなので、表面の衣が固まればすぐに引き上げます。180 ℃、濃いめの衣。


えび II



えびをぶつ切りにして、かき揚げにします。エビ1尾の天ぷらよりも、美味しいという評判。表面積が増えて、ぷりぷり食感が楽しめるからでしょうか? 理由はわからないけど、エビのかき揚げの方が人気。この辺までくると、満腹寸前。



かぼちゃ



かぼちゃは大きめに切って、10 分くらい、中濃度の衣、170 ℃で揚げる。なるべく加熱時間を長くして、でんぷんを加水分解し、麦芽糖に変えます。



かき揚げ丼 + 味噌汁



後続のさつまいもは調理時間がかかるので、先に〆のかき揚げ丼。この辺ですでにお腹いっぱいなので、さつまいもはお持ち帰りが多い。かき揚げは、野菜ともしあればエビとかを入れます。味噌汁は、豆腐とわかめ。


さつまいも



天ぷら近藤の真似です。さつまいもは Marukai. 中濃度の衣で、150 ℃、30 分くらい揚げて、余熱で 10 分。



ちょっと中心の火の通りがいまいちだったので、やはり教科書通りに 160 ℃には揚げたほうが、熱が中まで伝わりやすいかもしれない。表面が焦げ付きやすいので、若干低温にしました。






今日の日本酒



赤武 結の香
純米吟醸
ABV 15%
精米歩合 50%
米: 結の香
岩手県 赤武酒造

育成が繊細で、高精米可能な結の香を使った AKABU。よいまとまり具合でした。ちょっと甘みが強め、お酒単体で楽しむのに最適な一本。今日は、天ぷらと一緒に飲むのであれば、後続の 3 本の方がペアリングとしては最適だった。






豊盃 (ほうはい)
純米吟醸
ABV 15%
精米歩合 55%
青森県 三浦酒造

より日本酒っぽい、甘みが抑えられた味。





玄宰 (げんさい)
特別純米
ABV 15%
米: 夢の香
精米歩合 55%
福島県 末廣酒造

今日のボトルでは、AKABU 結の香に最大の期待をしていた(圧倒的優位かと思っていた) のでありますが、いい感じの酸味、旨み、甘みのバランスがとてもよく、単体で飲んでもいいし、天ぷらにとても合いました。とくにしいたけ?





天青 横濱魂
純米酒
ABV 15%
米: 五百万石
精米歩合 60%
神奈川県 茅ヶ崎市 熊澤酒造

実はダントツで今日一番美味しかったお酒。どれもとてーも美味しいのでありますが、順番をつけるとすると、これです。茅ヶ崎市でこんなすごいお酒があるとは想像だにしませんでした。


てんつゆの分量

  • 水 800 cc
  • 醤油 200 cc
  • みりん 200 cc
  • 日本酒 100 cc
  • かえし 50cc (醤油、みりん、砂糖を沸かして寝かせたもの)
  • かつおぶし 1 つかみ (20g くらい)



かえしと日本酒はおまけです。ない場合は、水 +醤油 + みりん + 鰹節を 10 分くらいしっかり煮立てて完成。





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