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Sunday, July 13, 2025

基本のカレーの研究 | カレー粉を3種スパイスで作ってみる


カレーをカレー粉から作ってみました。

カレー粉やカレールウがないときに、どうやったら作れるのか知っておきたい。


いまだと Amazon で注文すれば、すぐにカレー粉 (curry powder) が自宅へ送られてくる便利な時代だし、近所のインド系マーケットに行くとスパイスがふんだんにある。なので、入手自体は困らないのでありますが、そもそもカレー粉をどうやって作るのかを知っておきたい。

いずれは帝国ホテルカレーを作るときに、カレー粉でなくて、自分でスパイスを調合して作れるようになりたい、というのも狙いです。


カレー粉のスパイス 基本 3 材料




そもそもカレー粉って何でできてるかを調べると、3種類のスパイスが基本原料になるそう。

これに辛味や、いろいろな香り、味を追加して独自のカレー粉ができあがるそうな。
  • Coriander (コリアンダー):
    甘いスパイシーな香り、タンパク質と調和しやすい。パクチーの種子。

  • Cumin (クミン):
    カレーの香りの骨格で、カレーの香り。エスニックな芳香。エジプト原産。

  • Turmeric (ターメリック):
    カレーらしい色をつける色付けの役割。結構カレーっぽい香りも立った気がする。


カレーの材料

  • 玉ねぎ: 350g
  • 鶏肉: 400g
  • 水: 500cc
  • トマト缶: 200g (1/2)
  • 赤ワインか水: 50cc 程度
  • オリーブオイル: 玉ねぎ、鶏肉を炒めるのに使う


カレーの作り方


鶏肉は一口大に切って、塩とオリーブオイルをふっておく (brining)。肉に保湿効果と香りを引き立てる。



フライパンで玉ねぎを炒める。20分くらい、茶色くなるまで。焦げ無いようにするのがベスト。


20 分後。ちょっと焦がしすぎました。


トマト缶を入れる。さらに10分くらい水分を飛ばす。






トマトを入れると同時に別のフライパンで鶏肉を炒めます。だいたい 8 分くらい。これは横によける。

本当は玉ねぎにニンニクをいれたかったのですが、忘れたので、ガーリックパウダーを鶏肉を焼き終えたあとに混ぜました。





玉ねぎをいためはじめてから 30 分経過。
スパイスを一種類ずつ玉ねぎとトマトのフライパンに入れて混ぜ炒める。






鶏肉を加える。




鶏肉を炒めたフライパンに赤ワインか水を入れて、旨味をこそげ落として加える。




水500mlを加えて混ぜる。水を加えて混ぜるとかなりカレーっぽくなってきました。ここまでで 40 分くらい。





ここから鍋に移します。10分ほど中火で加熱して煮立てる。



塩で調味する。レモン汁を1/2個分足して完成です。




玉ねぎを炒め始めてからの所要時間は 50 分くらいです。
米は long grain rice (長粒米) にしました。
ハーブ、スパイスを入れて炊くとさらにいい感じらしい。



いちおう、これでうちの基本形カレーができた。

辛味要素がなく、脂分が少ないので、あっさり食べれる。

辛いものが好きな人には物足りないかもしれないので、辛味要素(チリパウダー)を入れた方がいいです。



味の深みを出すにはここから色々変化をつけられそうで
  • 辛味にはチリパウダー🌶️
  • バター
  • 甘味: 玉ねぎやリンゴ
  • マッシュルームや椎茸
  • 日本的なカレーだと、ニンジンやじゃがいも
  • 鶏肉の代わりに牛すじや豚バラ、ひき肉
  • 香味野菜にニンジン、セロリ
  • にんにくや生姜🫚🧄
  • カルダモン
  • クローブ
  • シナモン
  • ベイリーフ
などなど。


他にもいろいろうちにスパイスがあったので、今度加えて味の変化をみてみたい。




Wednesday, July 2, 2025

無印良品の牛すじカレー | 牛すじが (ほぼ) 入ってない


カレーには玄米が合う。

時短のためカレーは無印の牛すじカレー。


いやー、便利だわ。

よく写真と見比べると、「調理例」のように牛すじはゴロゴロ入ってない。入ってるわけはないのだが、あまりにも例と実物が違いすぎる。いちおう、肉片は入っていたが、パッケージの「調理例」とは別物。

フルスクラッチで調理した例 (i.e. 調理例) が、パッケージ写真なのだろうか。

それだったら、パッケージには「写真はイメージです。」と記載して欲しい。




Sunday, June 22, 2025

カツカレー | 小麦粉の炒め方など細かい変更を試す


おもてなし用のカレー。基本的に前回と同じ工程で作り、カツカレーに仕上げました。

カレースープを作る時にできる chuck roast の厚切り牛肉も、トッピング。この肉、いちおうステーキとしても食べても美味しいのだけど、筋が多いので、焼いて煮込むのがベストかと。もしくはサイコロステーキくらい小さく切ると食べやすいか?




ブイヨン (だし) は、生ハムの骨と脂身、キャベツ、パプリカ、玉ねぎ、バジル、レモン






カレーは、たまねぎ、セロリ、にんじん、刻んだパセリ、牛肉塊






野菜だらけのカレー。濾して残った野菜は、じゃがいもとチーズの型に敷き詰め、オーブンで焼いて副菜になります。





今日のワイン


検討を重ねた結果ようやく飲み物はいつもとちょっとだけ違う選択結果。

(1) “夏だからロゼ”から脱却して、白 2 本。(3 本でもありだった)

(2) Zinfandelの代わりに、Syrah と、Frediani Ranch (petite sirah, valdiguie, charbono)。Frediani Ranch は、単品よりも食事に合うタイプ。70 年代 Napa ではよく作られていたブレンドらしい。その後、商業色がつよくなり Cabernet Sauvignon にほぼ根こそぎ植え替えられてしまった。




今回の発見と仮説


(1) 玉ねぎを炒める色が、カレーの最終的な色になる。飴色になる前に、60 分くらいで玉ねぎを炒めるのを止めて、比較的白い状態で作り始めたら、かなり黄土色に近い仕上がりになった。



(2) 玉ねぎをいためるときにバターを使うと、焦げにくい代わりに、飴色になるのに時間がかかる。時短なら、オリーブオイルだけで、適当に水やワインで deglaze しながら焦げつきを抑えたほうが速く飴色になる…. と思われる。

(3) カレー粉に混ぜる小麦粉: 多分、小麦粉が茶色く色づくまでいためると、カレースープがサラサラに仕上がりやすくなる。前回は、炒めすぎて苦味が強くなってしまった反省もあり、今日は、ちょっと色が変わったくらいで止めてみた。今日のカレーはかなりとろみが強く仕上がった。


canele を作るときに、牛乳を一旦沸騰させて、タンパク質を壊してグルテンの形成を抑える、という必須工程があるのだが、それに近いかも?


(4) 野菜たっぷりのブイヨンを作ると、カレーの仕上がりがやさしくなる。個人的な好みでは、ブイヨンの代わりに、水で作ってしまう方法 (肉と香味野菜で十分スープができる為)。ちょっととんがった粗野な仕上がりになります。この場合、だし用のハムやベーコンなどは、カレー鍋に直接入れて後で取り出す。


以下、カレーを作っている工程。













完成写真





デザートは桜シフォンケーキにしました。

Sunday, May 4, 2025

カツカレー | Sauce au Cary | 帝国ホテル初代料理長 吉川兼吉氏のレシピ アレンジ第5版


うちのカツカレー。

元々の発祥は、帝国ホテル初代料理長を務めた吉川兼吉 (かねきち) 氏によるカレー (Sauce au Cary 🇫🇷) です。帝国ホテルは 1890 年 (明治 23 年) に開業。明治時代にこんな食材で作られたというのが驚きな一品。


以前の記事:

このカレー、材料自体は (ちょっとアレンジして) アメリカのスーパーで比較的簡単に手に入ります。現代では特に入手困難なものはありません。ヤシの実がない場合は、coconuts milk 缶で代用、生ハムがない場合は、豚肉のブロックやベーコンでよいはず。

このカレーを作る上で難しい工程はありません。

ただめんどいけど、作る価値はあります。



いま帝国ホテルのパークサイドダイナーで食べれる「ビーフカレー」は、1931 年に第8代料理長 石渡文治郎氏により考案されたもので、初代のレシピとは異なる。

したがって、1936 年 (昭和11年) の 二•二六事件当時に、炊き出しとして鎮圧部隊に提供されたものは、8代目考案のカレーの可能性が高い。

この貴重なレシピをもとに自宅で 2019 年ごろから作り始めて以来、いろいろ試行錯誤を重ねて、バージョン 5 に改訂。

原則はオリジナルに沿いながら、仕入れのしやすさと、アミノ酸うまみの相乗効果を高めるべく、ちょっとづつ独自アレンジを続けている。一番変えている点としては、(1) トマトの追加、(2) 生ハムのかわりに、豚肩ロース、(3) ベーコンの追加、です。


昨年作った説明動画:




変更点

  • スープに使う肉を豚肩肉から、牛肉の塊 (chuck roast) に変えてみました。
  • コンソメスープの代わりに、本物の生ハム、イベリコ豚 (Jamon Iberico) 原木の骨と野菜でスープをとりました。これは再現性がないので、次回以降は水か、インスタントのコンソメスープになりますが... 


牛肉の塊を使うヒントはこちらの大阪のカレー屋さんの欧風カレーの作り方から得ました。
https://youtu.be/Lm6WYU8J08I?si=mje5rUeQfF5Yxg_h&t=328

本格カレー カルダモン
大阪府 大阪市北区天神橋 6-5-3


ちょうどスープを取る段階で、大きな塊肉を焼いて鍋に入れ、最終的には「厚切り牛肉カレー」として看板商品のトッピングに使っています。

今回これを丸ごと真似ました。


牛肉は Chuck Roast を使いました。今日は奇跡的にセール $3.99 /lb



軽く塩をして、フライパンで各面を焼き、20 分くらいかけて焼き目をつけました。



この段階で、端っこの方はしっかり火がとおりつつピンク色。ステーキとしても食べれました。筋が多いので、煮込み料理にすると真価を発揮しそう。フライパンでしっかり表面に火を通す → トマトと赤ワインで 20-30 分煮込んで、いただくというのもよさそう。



この牛肉は、カレーを濾した後に、別の鍋でカレーソースでちょっと煮て、翌日以降の厚切り牛肉として使いました。



今回はスープが凄い: イベリコ豚の生ハム原木


スープは、本物の生ハムの原木の骨を使っています。これは偶然の産物で、今後はなかなか仕入れるのが難しい (i.e. 事実上不可能) のだけど、Jamon Iberico、イベリコ豚の生ハム原木を頂戴しました。

初代料理長のカレーは、こういう「生ハム」を出汁にしていたんだな。



冷蔵庫にあった適当な野菜を加えてスープにします。キャベツ、ピーマン、茄子、レモンを入れました。




スープを作らない場合は、水や、固形スープの素を溶かしたので十分美味しいです。



濾した野菜はタルトにする


カレーを作る工程で一度濾します。濾した野菜は、サイドメニューを作るのに使う。

お焼きと呼んでいますが、要はタルト。スキレットに、薄く切ったじゃがいもを敷き詰めて、そのまま火にかけます。なんでじゃがいもかというと、たくさん家に余っているから。ない場合は、冷凍のタルト生地に流し込んでもよいかと。




そこにチーズを削って溶かし、隙間を埋めたり、さらにじゃがいもを上にのせて、タルト生地のような形に焼き固めていきます。



そこへカレーの野菜と肉などを敷き詰めます。さらにチーズを削り、パン粉を散らして、440 ℉のオーブンで 20 分ほど焼いて完成です。



出来上がりがこんな様子。仕上げにパセリをふっています。



切り分けていただきます。カレーができる前に、食べすぎないように注意。






今日のワイン


Far Niente
2022 Cabernet Sauvignon
Oakville らしい cab. 若いけどこの時点で完成度が高い味です。勿論 bottle aging させたほうが尚よしかと。



Rhys
2022 Santa Cruz Mountains Pinot Noir (fkn Alesia)
もともと Alesia という製品で売っていたセカンドラベル。これで充分いい感じ。今は山に行かなくても K&L で手軽に買えるようになりました。



Tablas Creek
2021 Le Complice
59% Syrah, 32% Grenache, 8% Terret Noir, 1% Muscardin
Rhone ブレンド。Paso / Central Coast では珍しい洗練された味わい。
おそらく Syrah の黒胡椒の香りが効いてます。



Ridge
2016 Lytton Estate Primitivo
88% Primitivo, 12% Carignane
Zinfandel の仲間ですが、Zin よりも優しい感じがしました。



Monochrome Wines
2023 North By Southwest
75% Gewurtztraminer, 25% Albarino
葡萄 (honey pearl grape) のような甘く爽やかで高貴な風味。




作り方 (v5)


仏語名 = <ソース オー カリ> Sauce au cary
英國名= <カレーソース> Curry Sauce

■ カレー掛汁(約 2 リットル / 12 皿分) 
  • 玉ねぎ 5個 (1,000 g)
  • バター 50g
  • ベーコン 2 枚
  • 牛肉 (chuck roast) 2 lb / 1000g
  • セロリ 500 g
  • にんじん 200g
  • パセリ 1 本
  • 月桂樹の葉っぱ 3枚
  • クローブ 10 個
  • 小麦粉 190 g
  • カレー粉 52 g
  • トマト 缶 (Diced Tomato) 1
  • 水 2,000 ml or コンソメスープ 2,000 ml
  • やしの賽(ココナッツ)1 個 (300 ml) or ココナッツミルクの缶詰
  • ライム (or レモン) 1 個の絞り汁
  • 塩 15 g
  • 赤ワイン (deglaze 用)

■ 製法
  1. 玉ねぎを細かに刻み、バターで鳶色になるまで攪拌して焦がさぬように 60 - 120分程度炒める。鍋底に焦げついたときは、赤ワインで deglaze する。
  2. コンソメスープ (野菜: きゃべつ、たまねぎ、にんじん等、豚骨、鶏肉など) を作ります。固形スープの素を水に溶かしたのでも良し。なければ、水で OK。
  3. フライパンで、次に細かい賽切にしたベーコンを炒める。
  4. フライパンで、牛肉 (chuck roast) を各面 4 分づつくらい、20 分程度しっかり焼いて焼き色をつける。
  5. フライパンで、小麦粉(メリケン粉)を 5 分間いためる。焦がさぬように注意。さらにカレー粉を加え、2 分間炒める。
  6. セロリ、にんじんは、細かく刻んでおく。
  7. セロリ、にんじんを 1 のたまねぎの鍋に入れて炒める。
  8. さらに鍋に水 (or コンソメスープ) を加え、中火にする。玉ねぎが焦げ付きやすいので、この時点で水分を加える。
  9. ベーコンと、牛肉を鍋に入れる。
  10. トマト缶を加える。
  11. パセリの茎を束ねて細糸で固く堅くしばったもの、月桂樹の葉、クローブを加える。
  12. 鍋を火から下ろし、少し冷ました後、カレー粉を加えて、よく攪拌して混ぜあわす。
  13. 1 度強火で煮立てて、鍋を文火(弱い火力)に直し、ヤシの実の汁を加える。
  14. 塩で調味します。この段階で調味することで、タルトや chuck roast にしっかり味がつきます。
  15. 静かに30分煮る。
  16. 毛篩(ふるい:馬毛の古いをさすと思われる)で濾し、もう一度塩味を整えます。
  17. 食卓に送る間際にライムの絞り汁を加えよく混ぜ合わせてしあげるのであります。


玉ねぎを炒め始めたところ。


30分経過。焦げ付くときは、赤ワインや水でこそげとりながら炒めます (deglaze)。


120 分経過。普段は 1 時間でこの状態になるのだけど、バターを入れて炒めたせいか油分が膜となって水分が抜けづらかったのか、倍の時間かかりました。


セロリを加え、焦げ付きを防ぐため、すぐにスープを加えます。


牛肉とトマトを追加。今日は、にんじんとベーコンは無し。代わりに、ribeye ステーキの切れ端が入っています。


パセリを追加。


このあたりでクローブ (10個)  と月桂樹の葉 3 枚くらい入れます。



残りのスープを加え、カレー粉を追加したところ。ここで一度沸かします。


火を止めて、ココナッツを追加。

その後弱火で、30 分くらい煮立てます。この時点で塩味もつけます。
特に何時間も煮込む必要はありません。



具材とスープを漉して分ます。濾した具材は、上記の「お焼き」になります。塩を最終調整し、ライム(かレモン)を加えて完成です。



具がないので、カツカレーにします。



カツカレー完成。カレーは準備開始からおよそ 4 時間くらいかかるつもりで段取り。