うちのカツカレー。
元々の発祥は、帝国ホテル初代料理長を務めた吉川兼吉 (かねきち) 氏によるカレー (Sauce au Cary 🇫🇷) です。帝国ホテルは 1890 年 (明治 23 年) に開業。明治時代にこんな食材で作られたというのが驚きな一品。
以前の記事:
このカレー、材料自体は (ちょっとアレンジして) アメリカのスーパーで比較的簡単に手に入ります。現代では特に入手困難なものはありません。ヤシの実がない場合は、coconuts milk 缶で代用、生ハムがない場合は、豚肉のブロックやベーコンでよいはず。
このカレーを作る上で難しい工程はありません。
ただめんどいけど、作る価値はあります。
いま帝国ホテルのパークサイドダイナーで食べれる「ビーフカレー」は、1931 年に第8代料理長 石渡文治郎氏により考案されたもので、初代のレシピとは異なる。
したがって、1936 年 (昭和11年) の 二•二六事件当時に、炊き出しとして鎮圧部隊に提供されたものは、8代目考案のカレーの可能性が高い。 この貴重なレシピをもとに自宅で 2019 年ごろから作り始めて以来、いろいろ試行錯誤を重ねて、バージョン 5 に改訂。
原則はオリジナルに沿いながら、仕入れのしやすさと、アミノ酸うまみの相乗効果を高めるべく、ちょっとづつ独自アレンジを続けている。一番変えている点としては、(1) トマトの追加、(2) 生ハムのかわりに、豚肩ロース、(3) ベーコンの追加、です。
昨年作った説明動画:
VIDEO
変更点 スープに使う肉を豚肩肉から、牛肉の塊 (chuck roast) に変えてみました。 コンソメスープの代わりに、本物の生ハム、イベリコ豚 (Jamon Iberico) 原木の骨と野菜でスープをとりました。これは再現性がないので、次回以降は水か、インスタントのコンソメスープになりますが... 牛肉の塊を使うヒントはこちらの大阪のカレー屋さんの欧風カレーの作り方から得ました。
https://youtu.be/Lm6WYU8J08I?si=mje5rUeQfF5Yxg_h&t=328 本格カレー カルダモン 大阪府 大阪市北区天神橋 6-5-3 ちょうどスープを取る段階で、大きな塊肉を焼いて鍋に入れ、最終的には「厚切り牛肉カレー」として看板商品のトッピングに使っています。
今回これを丸ごと真似ました。
牛肉は Chuck Roast を使いました。今日は奇跡的にセール $3.99 /lb
軽く塩をして、フライパンで各面を焼き、20 分くらいかけて焼き目をつけました。
この段階で、端っこの方はしっかり火がとおりつつピンク色。ステーキとしても食べれました。筋が多いので、煮込み料理にすると真価を発揮しそう。フライパンでしっかり表面に火を通す → トマトと赤ワインで 20-30 分煮込んで、いただくというのもよさそう。
この牛肉は、カレーを濾した後に、別の鍋でカレーソースでちょっと煮て、翌日以降の厚切り牛肉として使いました。
今回はスープが凄い: イベリコ豚の生ハム原木 スープは、本物の生ハムの原木の骨を使っています。これは偶然の産物で、今後はなかなか仕入れるのが難しい (i.e. 事実上不可能) のだけど、Jamon Iberico、イベリコ豚の生ハム原木を頂戴しました。
初代料理長のカレーは、こういう「生ハム」を出汁にしていたんだな。
冷蔵庫にあった適当な野菜を加えてスープにします。キャベツ、ピーマン、茄子、レモンを入れました。
スープを作らない場合は、
水や、固形スープの素を溶かしたので十分美味しい です。
濾した野菜はタルトにする
カレーを作る工程で一度濾します。濾した野菜は、サイドメニューを作るのに使う。
お焼きと呼んでいますが、要はタルト。スキレットに、薄く切ったじゃがいもを敷き詰めて、そのまま火にかけます。なんでじゃがいもかというと、たくさん家に余っているから。ない場合は、冷凍のタルト生地に流し込んでもよいかと。
そこにチーズを削って溶かし、隙間を埋めたり、さらにじゃがいもを上にのせて、タルト生地のような形に焼き固めていきます。
そこへカレーの野菜と肉などを敷き詰めます。さらにチーズを削り、パン粉を散らして、440 ℉のオーブンで 20 分ほど焼いて完成です。
出来上がりがこんな様子。仕上げにパセリをふっています。
切り分けていただきます。カレーができる前に、食べすぎないように注意。
今日のワイン Far Niente 2022 Cabernet Sauvignon Oakville らしい cab. 若いけどこの時点で完成度が高い味です。勿論 bottle aging させたほうが尚よしかと。
Rhys 2022 Santa Cruz Mountains Pinot Noir (fkn Alesia)
もともと Alesia という製品で売っていたセカンドラベル。これで充分いい感じ。今は山に行かなくても K&L で手軽に買えるようになりました。
Tablas Creek 2021 Le Complice
59% Syrah, 32% Grenache, 8% Terret Noir, 1% Muscardin
Rhone ブレンド。Paso / Central Coast では珍しい洗練された味わい。
おそらく Syrah の黒胡椒の香りが効いてます。
Ridge 2016 Lytton Estate Primitivo
88% Primitivo, 12% Carignane
Zinfandel の仲間ですが、Zin よりも優しい感じがしました。
Monochrome Wines 2023 North By Southwest
75% Gewurtztraminer, 25% Albarino
葡萄 (honey pearl grape) のような甘く爽やかで高貴な風味。
作り方 (v5) 仏語名 = <ソース オー カリ> Sauce au cary
英國名= <カレーソース> Curry Sauce
■ カレー掛汁(約 2 リットル / 12 皿分)
玉ねぎ 5個 (1,000 g) バター 50g ベーコン 2 枚 牛肉 (chuck roast) 2 lb / 1000g セロリ 500 g にんじん 200g パセリ 1 本 月桂樹の葉っぱ 3枚 クローブ 10 個 小麦粉 190 g カレー粉 52 g トマト 缶 (Diced Tomato) 1 水 2,000 ml or コンソメスープ 2,000 ml やしの賽(ココナッツ)1 個 (300 ml) or ココナッツミルクの缶詰 ライム (or レモン) 1 個の絞り汁 塩 15 g 赤ワイン (deglaze 用) ■ 製法
玉ねぎを細かに刻み、バターで鳶色になるまで攪拌して焦がさぬように 60 - 120分程度炒める。鍋底に焦げついたときは、赤ワインで deglaze する。 コンソメスープ (野菜: きゃべつ、たまねぎ、にんじん等、豚骨、鶏肉など) を作ります。固形スープの素を水に溶かしたのでも良し。なければ、水で OK。 フライパンで、次に細かい賽切にしたベーコンを炒める。 フライパンで、牛肉 (chuck roast) を各面 4 分づつくらい、20 分程度しっかり焼いて焼き色をつける。 フライパンで、小麦粉(メリケン粉)を 5 分間いためる。焦がさぬように注意。さらにカレー粉を加え、2 分間炒める。 セロリ、にんじんは、細かく刻んでおく。 セロリ、にんじんを 1 のたまねぎの鍋に入れて炒める。 さらに鍋に水 (or コンソメスープ) を加え、中火にする。玉ねぎが焦げ付きやすいので、この時点で水分を加える。 ベーコンと、牛肉を鍋に入れる。 トマト缶を加える。 パセリの茎を束ねて細糸で固く堅くしばったもの、月桂樹の葉、クローブを加える。 鍋を火から下ろし、少し冷ました後、カレー粉を加えて、よく攪拌して混ぜあわす。 1 度強火で煮立てて、鍋を文火(弱い火力)に直し、ヤシの実の汁を加える。 塩で調味します。この段階で調味することで、タルトや chuck roast にしっかり味がつきます。 静かに30分煮る。 毛篩(ふるい:馬毛の古いをさすと思われる)で濾し、もう一度塩味を整えます。 食卓に送る間際にライムの絞り汁を加えよく混ぜ合わせてしあげるのであります。
玉ねぎを炒め始めたところ。
30分経過。焦げ付くときは、赤ワインや水でこそげとりながら炒めます (deglaze)。
120 分経過。普段は 1 時間でこの状態になるのだけど、バターを入れて炒めたせいか油分が膜となって水分が抜けづらかったのか、倍の時間かかりました。
セロリを加え、焦げ付きを防ぐため、すぐにスープを加えます。
牛肉とトマトを追加。今日は、にんじんとベーコンは無し。代わりに、ribeye ステーキの切れ端が入っています。
パセリを追加。
このあたりでクローブ (10個) と月桂樹の葉 3 枚くらい入れます。
残りのスープを加え、カレー粉を追加したところ。ここで一度沸かします。
火を止めて、ココナッツを追加。
その後弱火で、30 分くらい煮立てます。この時点で塩味もつけます。
特に何時間も煮込む必要はありません。
具材とスープを漉して分ます。濾した具材は、上記の「お焼き」になります。塩を最終調整し、ライム(かレモン)を加えて完成です。
カツカレー完成。カレーは準備開始からおよそ 4 時間くらいかかるつもりで段取り。