Sunday, October 5, 2025

ASICS SONICBLAST で走ってきたハーフマラソン (PB更新) | Rock’n’ Roll San Jose Half Marathon

 


San Jose Downtown を駆け巡るレースに今年も出ました。

2 日のイベントで土曜日は 5K、日曜日は 10K とハーフマラソンのレースが行われる。

今年はハーフマラソンにちゃんと出たいので、5K は無し。

昨年は 5K を頑張って、ハーフマラソンはとりあえず参加して完走目的で出てみた。

給水は 2 マイル (3.2 km) おきくらいにあり充分。8 マイル付近ではジェルも配られます。

参加人数は 5000 人くらい。申請タイム順にスタート (Elite, Coral 1 ~ 6に分割) できるので、スタート時の混雑もなかったです。

駐車場は、スタート1時間前より早く San Jose Convention Center Parking (Hilton の隣) につければ充分にあります。スタート地点の目の前なので、ウォームアップして着替えとか、車にいろいろ荷物置きに行くなど便利です。






結果


85分49秒 (4’05’’/km)
順番: 124 / 4619




これだけ人数が多い (*普段出ている5Kイベントや、今年出たハーフに比べたら) と、順番はもはやどうでもよいのでありますが、一応トップ 3% —— 高校〜大学院まで、学校の成績でもトップ 3% に入ったことはないかと….


基本的な戦略としては:
  1. 16 km まで: 巡行スピードで、きつくもなく楽でもないペースで刻む
  2. 16 km 以降 (残り 5km ぐらい): 3’50’’/km 台くらいに持っていく。実際は、3’55’’/km 切ってるといい感じ。今後、絶対的なスピードも上げないといけません。

走る 2 時間前くらいに バナナ 1 本。適宜、水とポカリスエットを飲みます。

この辺は普段の週末の練習時と同じにしています。

給水は、喉が渇く前に最初の 10 km 地点がくるまでに多めに 3 回くらいとりました。後半は取らずに素通り。

後述しますが、今年のハーフマラソンの記録は、使ったシューズどれもが legal limit を超えていて市民ランナーとはいえど厳密には参考記録 (エリートであれば DQ?)。

というわけで “一応” PB 更新です。



肝心の巡行ペースを決める


どれくらいのペースで走れるかよくわからない。希望は 4’00’’/km。

したがってあわよくば 84 分くらいにしたいのでありますが、まだまだ練習では 15 km まで、しかも無人トラックでしかできてないので、21 km押すのは非現実的。


性格的に、「最初、いけるところまでいって、しんどくなったら耐える」は嫌で、基本余裕をもって最後 1/3 や 5 km を走るようにもっていきたい。タレるのは全力で避け、negative split したい。

先週のペース走では 4’14’’/km で楽にできたので、6 月の平均ペースだった 4’08’’/km を巡行ペースとしました。

主観的な感覚では、4’10’’/km を切ったくらいが中強度的な速さで、しんどくなく、楽すぎでもない、心拍数は 160 前半に安定して保たれていて安定した感じ。これは今後の自信につながりそうです。

去年の今頃は、10km で 40 分を切るために、閾値走として 4’10’’/km で 3 km を 2-3 本走るのがしんどかったことを考えると、進化していそうです。


課題


一言でいうと、全力を出し切れていない

出す前に終わった。

生意気な話では、巡航速度もうちょっと 2-5 秒速くてもよかったかもで、最初 15 km はかなり抑えすぎた気もしています。例え 2 秒でも 21 km だと 42 秒なので大きい。

開始 1 km で息があがり、心拍 170 超えになると、その後につらいつらい 20 km が残っているので、そういうのは避けたい。

今日の感覚では、巡航速度 4’00’’/km は難しいにしても 4’03’’ ~ 4’05’’/km くらいのもうちょっと速いペースでも、主観的にキツく無い負荷で 16 km くらいまでいけたかなと感じました。その辺は、慎重すぎる、恐怖が邪魔しているわけでありますが、これは練習で前例をたくさん作ると改善されるのかもしれません。



ASICS SONICBLAST で走った感想




先日購入した ASICS SONICBLAST。カーボン•プレートではなくて、樹脂製の Pebax プレート入りです。

主観的な感覚として、楽に走れました

皆がこぞって、プレート入りシューズを履く理由がわかってきました。

エリート集団ほどのペースではないけども、プレートの効果は予想以上に体感できました。

最後の 400m くらいは 3:20 くらいに上がったので、このとき一番恩恵があったかもしれません。単に全力になってただけか...?


プレート入り、とりわけカーボンプレートが私のようなレベルに必要なのかどうか、恩恵を受けられるのかどうか、先日調べた学術論文で 3% 弱の効果はありそうと理解はできたけど、主観的に楽に走れるかどうかとか、足に負担がくるかどうかは、使ってみないと納得できない。ということで、初めてハーフマラソンのレースにてプレート入りのシューズを導入。


前回 4, 6 月のハーフマラソンでは、NOVABLAST 5 で走ったのですが、一つ不満点として、最後 5 km でスピードアップするときに、うまく地面を踏めなくて加速しずらかったこと。

最初から最後まで一定ペースで踏めれば最後に加速なんてしなくていいのですが、レースなのでどうせ最後はペースアップしたくなる。

そもそも筋持久力不足からきているのだけど、それでも3:50 ~ 3:40/km くらいにしたいなと思ったときは、地面がスポンジみたいで、疲れてきた時に速く走りづらいなと思いました。

当然疲れていないと全然出すのは問題ないのですが。。。

地面がスポンジのように感じるのが、ぽんぽん跳ねるNOVABLAST の長所と思っていますが、疲れたきた時に速いスピードに対応しずらい。

その点を改善してくれるのが、プレートが入ったバージョンの SONICBLAST と思っていまして、こちらは残り 5 km ビルドアップしながら走れました。最後の 21 km は平均 3’40’’/km まで上げれたのも大きい。3分台後半だと、ちょうどよいペース帯なのかもしれません。

僕の印象では、MAGICSPEED + NOVABLAST = MAGICBLAST (マジット) という融合製品。厳密には Magicspeed のプレートはカーボン製で、Pebax ではありませんし、長さも違うけど、そういう印象。 

255g の重量も気になりません。

最初 16 km の巡行走行中 (4’08’’/km 前後) でも、練習で使う Hyperspeed や HOKA Mach 6 よりも軽く快適に走れた感じです。

やっぱりいいですねぇ。

カーボンプレート入りも、体感できるかどうか、いずれ試してみたいです。




一応 PB 更新


「一応」というのは、よくよく調べたら今日履いた SONICBLAST の stack height / 踵の高さ 46 mm が規定外。ゴルフドライバーでいう高反発規制、ウェッジの溝規制のような用具に対するルール。

一般市民の場合、取り締まりやチェックはないので、実質何履いても実質は OK なのではありますが、大きなイベントに出る時は注意した方がいいかも。

そもそも NOVABLAST 5 も 41.5 mm で規定外 😢

次は練習用に気に入っている Hyperspeed か Rocket X 3 を試してみたい。

マラソンでは 4:00/km 切って走るシーンはないので、Hyperspeed の新品でもよいかも。




備忘録: ラップタイム


今年出たレースの10 km ごと、5 km ごとのラップタイムをまとめるとこんな感じ。

とりあえず第一目標の前半と後半での negative split はできている。

課題は 6 ~ 15 km の中間地点で垂れすぎないようにしたい。


10 km ごと


4

6

10

1 - 10 km

43:42

42:04

41:30 

11 - 20 km

41:25

40:56

40:30

20 - 21 km

4:04 /km

4:00 /km

3:40 /km



5 km ごと


4

6

10

1 - 5 km

22:07

21:03

20:30

6 - 10 km

21:15

21:01

21:00

11 - 15 km

21:09

20:49

20:43

16 - 20 km

20:16

20:07

19:51 

20 - 21 km 

4:04 /km

4:00 /km

3:40 /km




[追記]

課題の「力を出しきれてない」に関連して、いつも拝聴しているいろいろなランニングに関する講義動画を参考にすると、5K のレースペースを基準として、10K, ハーフマラソンのペースの目標ペースが計算できる。
  • 適切なトレーニングができていると、この通りくらいに走れる。
  • 遅い場合は、持久力や、スピードが足らない。

  • 5K のレースペースから
  • 10K は + 5 sec/km
  • ハーフマラソンは + 5~6 sec/km (5K から + 10~12 sec/km)

最近の 5K のレースペースが 7 月の時点で 3:45/km でした。もしかすると、夏のトレーニングを経てちょっと早くなるかもだけど、3:45/km と考えておくと、ベストコンディションかつトレーニングがばっちりできると:

  • 10K で、3:50/km
  • ハーフマラソンで、3:56/km

で走れる。3 分台でハーフ走れると嬉しすぎるんですが。。。83分前後!?

そもそも 10K を 3:50/km で走れるかどうかも怪しいのだが、レースにおいて、だとやってみないとわからない。9月は 3:57~3:59/km で 10K テンポ走を毎週していた。

やはり、ハーフマラソンのレースで、「力を全部は出し切らなかったなぁ?」と感じたのは、まだまだ 10 sec/km 弱くらいは余力があったのかもしれません。


持久力不足が課題のようです。

この秋のテンポ走は、3:50~3:55/km くらいを 6 km くらいから始めて、疾走距離を徐々に長く 10 km に近づけ、ペースを 3:50/km に近づけ、無理なく行える耐性をつけたいと思います。






Thursday, October 2, 2025

インゲン豆のパスタ





今年はインゲン豆が美味しい年でした。多分これが今シーズン最終。胡麻和えなど定番料理はいろいろあるけども、一番美味しい食べ方だったのは

① 🫛 豆だけの天丼 (つゆだく)

② 🍝 炒めてからのオリーブオイルとパスタ水のソースに絡めたパスタ


ベーコンで出汁をとり、パンチェッタは別に焼いて飾り。

オリーブオイルは調味料🫒


Tuesday, September 30, 2025

ハーフマラソンに向けて最後の刺激走 | 2K (T-pace) x 3

 


ハーフマラソンレース前の刺激走: 2K (T) + 400m (< 3 min) x 3

インターバルではないので休息は長め。これを 60 秒くらいの休息でできるようにしたい。

2-3 週間前より断然涼しくなって快適な気候になってきた。

なんだかんだ 9 月は月間走行距離が 350 km 超え。距離が踏めるになると逆に怪我をしにくくなってきたり、練習のバリエーションが増えせてメリットが大きい気がしています。

結局 4~9 月は毎月 300 km 以上踏めました。

距離を踏もうとしたわけでもなく、練習メニューを組んでいたら自然と増えてしまいました。若干ジョギングの平均ペースがあがり (5'00''/km → 4'50''/km)、長距離走った後に流しを入れられたり、ペース走と短いインターバルを組み合わせたり、1週間のサイクルに 2 回高強度な練習を組み込めたりと、以前はしんどくてできないことができるようになってきたのが大きいです。

マラソントレーニングに拡張して、40 km 走を入れていくようになると、自然と 400 km 近くになるんじゃないかなと思います。これが効率がいい方法なのか、あるいは悪いのかは別として、初めてマラソンを完走するには、とりあえず 40 km は何回か走っておいた方がいい。できれば目標は月 1-2 回。

これで、どの時点で脚がしんどくなるか、何回か 40 km 走をすると慣れてくるのか (今 20 km を走るくらいの感覚でいけるのか)、補給はどれくらいの量、どれくらいのタイミングで必要なのか、あるいは水分だけで十分そうか、いろいろと本番に向けての段取りも立てやすくなるはずです。


心拍数はEasyペースではそんな上がるわけでもなく、平常時は30-40台なので、1日のトータルでの心拍数が上がりすぎるみたいな心配はなし。何より、少々大食いしてもびくともしなくなりました。

運動は苦手なのに、スポーツイベントに飛行機で海外に遥々参加という事態は想像しなかった。


学習において、最も難しいのは、対象に対する興味・関心を引き出す。

大学の授業でも最大の難所。

「才能がない」「やる気がない」の一言で片付けてしまうのは、個人の成長機会を奪ってもったいない。才能は遺伝的要素よりも、後天的な成長の要素の方が強いと捉えていて、成長を促す本質は、正しい知識や技法を習得し「できなかったことができるようになる」という感動体験をいかに多く提供できるかにかかる。


最も問題となるのは、具体的な指導方法やプロセスを示さずに、「結果を出せ」「いい感じにあれしてくれ」「OOOをしろ」と抽象論だけで押し付ける指導者や残念な親の存在。


具体的なノウハウ、指示の共有を怠り、一方的な要求に終始する姿勢は、結果的に個人やチーム、果ては組織の成長を停滞させる大きな障害となりかねん。


これが老害の定義?

Sunday, September 28, 2025

お椀とTri Tip Steak (ともさんかく) + 2013 Syrah Grenache をいただく



Tri Tip - ともさんかく と呼ばれる部位。ちょっと前、1950年以前ごろは、ミンチ肉として利用されていました。別名 Santa Maria Cut。赤みを愉しむ部位です。

今日は塩か、黒いバルサミコ酢をそのままでいただきました。味変を愉しむのも一興です。いつものソースを乗せた方が見た目にはよかったかも。お皿に余白を残しすぎました。


焼き時間は、弱火で 30 分くらい (5分 x 6 回ローテ) → Rest 10 分程度。

グリルがなくても、フライパンで表面を 5 分づつ強火で焼く(合計20分) → 350 °Fくらいのオーブンで 20 分くらい、な焼き方もあり。




Rest 中にアルミホイルで包むのがポイントです。これに気が付くのに 15 年かかりました。赤身中心の部位ながらも、柔らかくしっとり仕上がるようになりました。





それまでは硬いことが殆どで、たまたま偶然が重なって、うまくできることばかり。





久しぶりにお椀です。椀種は素麺。トンボと海老、酢橘。

素麺は二番出汁で煮て仕上げました。羅臼昆布強めの仕上がりでした。





今日のサラダはきゅうりとグレープフルーツ、バジル、アサツキ。これをバルサミコ酢、オリーブオイル、塩で和えます。




チーズボード。数年前より明らかにしょぼくなっている。食べきれないというのが大きな理由でありますが、2018~2020 年の写真と比べると豪華さがない。





2013 Lytton Estate Syrah Grenache


今日の主役のワイン。




最後の Syrah, Grenache の Rhone ブレンド。

ちょうど瓶詰めしてから 10 年経って、熟成されてきた味わいを愉しめる一本でした。

表現力が至らず、とりあえず 1 ケース欲しいと思う作品です。

https://www.ridgewine.com/wines/2013-lytton-estate-syrah-grenache/

2014 年からは Mataro が入って SGM になり、ちょっと印象が変わりました。


味の表現のカンペ:
“Saturated ruby color. Highly scented mixed red/black berry fruits, gamey, clay earth, sweet toasted oak, and chai-black pepper spice. Dense entry, rich dark berry flavors, full bodied, viscous, layered complexity, and dusty-clay earth aftertaste. Great concentration.”

Saturday, September 27, 2025

厚底カーボンシューズに関する考察 | 一般ランナーも履く効果ありということを納得した

ASICS Magicspeed 3 


厚底カーボンシューズは履く意味がある。

最終的にレースで履くかどうかは、感覚が合う/合わない、走技術によると思うのだが、スピードが速くなるかどうかに関して言えば、学術研究の面からも立証されていました。

ある研究では (参考文献②)、5'00''/km, 6'00''/km くらいで速く走らなくても1% 前後の改善もみられたとか。


2025年の今の時代 (カーボンシューズ履くの) 当たり前じゃないか、と思うだろうけども、私としては一部のエリートにとって恩恵があるだけで、一般人には恩恵が薄い、みんなが履いているから履くくらいのものだと効果を疑っていた。特に 4 分/km も超えないペース帯では、ちゃんとカーボンをしならせる力を加えられないんじゃないかと。

未だに主観的に明確な効果を感じ取れてないのが理由だと思います。



実際、カーボンシューズは最新のものではないが 2 つ使っていて (HOKA Carbon X 3 と ASICS Magicspeed 3)、まだいまいち恩恵を受けられているかどうか、主観的な速くなるという感覚を得られていない。

HOKA Carbon X 3



おそらく、(1) 反発をうまく受ける走技術が未熟である、(2) そもそもレースのスピードが遅い、のが理由だと考えています。



昨年から抱いていた「カーボンシューズを履く効果はあるのか?」という疑問について、いくつか学術論文を読んでみた結果、靴の内部にカーボンプレートが入ったいわゆる厚底カーボンシューズには、確かにその恩恵があることが納得できた。


エリートレベルの 3’00’’/km (時速 20 km) やそれ以上速いペースでで走らなくても、恩恵は得られる。

物理的ポテンシャルを使い切ることはできないが、メリットの一部を享受して、タイムを良くすることは可能だ、というのが現時点での結論。




研究論文からわかったこと


実験の条件について

  • NIKE Vaporfly (NVF) と NIKE Alphafly (NAF) は、実験において圧倒的な性能の高さを示し、最も実験対象として頻繁に使用されるモデル。
  • 読んだ論文が 2018-2022 年に発表されたため、まだまだ NIKE 一強という時代背景。
  • 多くの論文で、カーボンプレートが入っていない比較対象のシューズとして、ASICS の Hyperspeed (AHS)が使われています。これは非厚底カーボンシューズの代表格とされている感あり。

肝心の実験結果について

  • 時速 13 kmから18 km (4分37秒/km~3分20秒/km) のペースで走るランナーを対象とした実験では、ランニングエコノミーが 2.7%〜4.2%* 改善し、タイムの短縮に繋がることが確認される。当然ながらペースが速いほど、改善率も高い傾向にある。これは速度が上がるほど、接地で足が地面を押す力が増すため、よりプレートをしならせる。
  • 各社のカーボンシューズでもランニングエコノミーの改善率には大きな差があり、NIKE Alphafly がトップ、次いで NIKE Vaporfly と ASICS METASPEED という結果 (参考文献①)。
  • 繰り返しになりますが、これらは2022年以前に発表された論文のため、当時はまだNIKEの一強時代。2025年現在では状況は大きく変わっていると思われます。
  • 遅いペース(時速 10 km~12 km、6分00秒/km~5分00秒/km)での検証結果もあり (参考文献②)。この場合でも 0.9%〜1.6% の改善が見られます。
* 2.7 - 4.2% の改善は複数の論文の結果で、参考文献①の reference から辿れます。




カーボンプレートの物理的特性


カーボンプレートは、その反発効果を最大限に引き出すために、ある程度強い力を加えてしならせる必要があります。物理法則上、強い力を加えるには速いペースで走る必要があるため、ペースが遅い場合はプレートがしならず、単に硬い履き心地のシューズになってしまいます。


体重が重ければプレートをしならせやすいかもしれませんが、長距離走において肥大した筋肉は邪魔になるため、体重を増やすことは現実的ではありません。


遅いペースでの効果に関する研究は、2021年のボストンマラソンで3時間15分を切るランナーが全体の20%程度であるからも (参考文献②)、多くのランナーにとって時速 13 km〜18 kmで走り続けることは非現実的であるという動機に基づいていました。

メーカーも、より広い 80% の市場をターゲットにするため、時速 11 km前後 (5’30’’/km 前後) のランナー向けに Pebax 樹脂製のプレートを搭載したシューズや、ASICS の S4、YOGIRI といったモデルを開発していると考えられます。その方が、事業的にも儲かるかも。



個人的な使用感


個人の感覚では、時速 17 km (3’30’’/km) を切るような5 kmのラストスパートや、1500mの練習ペース(3’20’’/km)では、速いスピードの維持がしやすいように感じます。

しかし、単に必死に全力で走っているだけで、そう感じているという思い込みだけかもしれません。

時速 16 km (3分40秒/km) 程度のペースでは、主観的な違いは分かりませんが、タイムを比較すると楽に走れているようです。

結局のところ、走りの技術が未熟なのか、それとも HOKA Carbon X のランニングエコノミー改善効果が低いのか、あるいはその両方なのか、という疑問が残りました。


参考文献① によると、「Hoka RX (51.67 ± 2.07) と Brooks HE2 (51.42 ± 1.72) は、Asics HS (51.71 ± 2.02) と有意な差が見られなかった」と報告されていました。(“Hoka RX (51.67 ± 2.07) and Brooks HE2 (51.42 ± 1.72) did not differ from Asics HS (51.71 ± 2.02). “

ここにでてくる 51.42 とかいう数字は、酸素摂取量 (VO2)。5K のベストが 16 分前後のランナーを 12 人集めて走行テストをし、3'45''/km で 5 分走らせたときの酸素摂取量を計測した結果になります。5K が16 分前後だと VO2MAX 64 くらいでしょうか。


ここでいう HOKA RX は、Rocket X の初代モデルを指します。これは、時速 16 km (3分45秒/km) のペースで走った際の酸素摂取量(楽に走れたかどうかを示す指標)において、ASICS HS (Hyperspeed) とランニングエコノミーにが見られなかったことを意味します。


このことから、僕が使っているその前の世代の Carbon X (先に出てきたオレンジの靴) で効果を感じられなかったとしても不思議ではないかも。まぁ、普段の靴より跳ねるかなぁ? という感触はありますが。




むしろ、定価10,000円を切る価格帯の ASICS Hyperspeed の性能が非常に高いとも言えるかも。この夏は結構感動して、Hyperspeedを 2 足購入し、ジョギングからインターバル、距離走まで幅広く使っています。

ASICS Hyperspeed 5 (部活生シューズ?)



現時点での結論


厚底カーボンプレートシューズを履くことで、タイムが改善することは間違いありません。大まかな目安として、改善率は 3% 前後と覚えておくと良いかな? その効果を最大限に得るには、ある程度速いペースで走るのが理想的です。

4'37''/km (時速 13 km) でも 2.7% のランニングエコノミーの改善だし、これを踏まえると、フルマラソンでカーボンシューズを履くことには効果がありそう。

もし改善率が 3% 程度のランニングエコノミーの改善が妥当だと仮定すると、フルマラソン(180分)での3%の改善は5分24秒に相当します。

平均ペースでは、約 7.6 秒/km 速くなる。仮にもっと小さくて 5 秒だったしても嬉しすぎる。

このタイム短縮はかなり大きいし、給水やトイレ休憩、ちょっとアクシデントが発生することを想定しておくと、レースペースにも余裕ができていいかも。


とりあえず、最初に使ってみたいのは HOKA の ROCKET X 3。カラーバリエーションもようやく 2 つになり、もうちょっと待つとさらにオプションが増えないかどうか期待しています。




ただ最初のマラソンは、ASICS Hyperspeed で走ってみたい気もする。

結局 4'10'' ~ 4'15''/km のペースが中強度のちょっとしんどいくらいに感じられるくらいのトレーニングを積めれば、要はちょっとしんどい 40km ロング走をする練習に近くなるわけであって、特にカーボン入りのシューズを使ってスピード利得をする必要がなくなるし。


他に候補としては HOKA Mach 6。これまたカーボン入ってないけど、ジョギングからインターバルまでいろいろ使っていて好きです。Mach 5 から数えると 3 足買いました。不安なのは、ちょっと左右の安定性が低いかも?

HOKA Mach 6



今年 2 回のハーフマラソンは、ちょうど足が痛くなったタイミングもあり、足に優しいクッションということで結局 NOVABLAST 5 にしました。4'10''/km 前後で、80分後半で走る分には全然これでいい気がしました。

最後 5 km で3'58''/km くらいにペースを上げようと思ったときは、筋持久力がつきたのか、地面をうまく押して加速するのがしんどかった。もしかすると、プレート入りにすると、レース後半で効果的に地面を押せるようになるのかもしれません。

やっぱこれ、ASICS の傑作の一つだと思います。

通勤用に履くのもいいですね。

ASICS NOVABLAST 5




参考文献

① A comparison of running economy across seven highly cushioned racing shoes with carbon-fibre plates (2022)
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/19424280.2022.2038691

② Effects of a Highly Cushioned Racing Shoe on Running Economy at Slower Running Speeds (2022)
https://sportrxiv.org/index.php/server/preprint/view/141/235


レースペース 速度 90% (4'30''/km) の 20 km 走


10月にハーフマラソン出走予定。

コーチから 20 km 4’30’’/km 設定でペース走 という命題が出され、今の段階でこれができると明るい未来がまっているらしい。

というのも、来年、急遽フルマラソンを走ることになり、急いで準備を開始する。本当はハーフでちゃんと 80 分前半にもっていって、5K も 17 分台にしてからと思ってましたが、エントリーが受理されてしまったので仕方ない。5ヶ月くらい、25 週間くらいあるので、この秋から始めると間に合うかと。

今回のハーフマラソン、希望としては 4'00''/km を切って 80分台前半にしたいのであるけど、練習では15 km までしかできてないので、余裕をもったペースで入って、後半 10 km ~ 5 km くらいからペースを上げるような感じにしたい。

そうすると、4'30''/km がちょうど希望目標ペースの 90% くらいになり、ちょうどよいペース設定です。したがって、仕上げとしてちょうどよいと思い今の段階でレースペース90% のペース走を実施しました。


ということで、20 km を 4’30’’/km 設定で走ってみる。






はじめてみると楽でもなく、めちゃくちゃしんどくもない感じだったので、とりあえず 21.1 km まで伸ばしてみた。


コースは、いつもの河沿いのトレイルを、1周 3.5 km を 6 周。

折り返しが直角で、なおかつ片側の折り返しでは 5 m くらいの急な登りがあるため、どうしてもターンで 5 秒くらい遅くなってしまう感じでした。思ったよりも曲がり角って、スピードのロスが大きいです。



アップがよかったのか、25-30km の長い距離も練習に組み込んできた効果か、4’15’’/km くらいで走っているときは心拍数も 160 前半くらいで、無理なくできている感触でした。

最後 3 km は 4’00’’/km を切るようにしてみたので、ちょっとしんどい。

半年前はレースでやっとできていた内容を、練習環境で 90 切りできたのは大きいです。



マラソンのトレーニングとしては、5,000m やハーフと原理原則的には同じと思っているのだが、1度に走る距離が倍になるのは、また全然違う面もあると思います。


今日の 4'15''/km 前後だと 30 km くらいまではいけるかもという感触だけど、仮に最後ペースアップしないで、あと2倍の距離を走れるかいうとまだ無理。

加えて、給水、トイレ、予期しないイベント発生もあるため、レースペースには余裕をもって設定したい。

4'20''/km くらいが中強度のペースとなるようにレベルアップしたい。


基本 5,000m のペースで、どれくらいのタイムが出せるかが決まってくるらしいので、年内は今まで通り 5,000m を速く、できれば 17 分台にもっていけるようにしたい。



Tuesday, September 23, 2025

パンチェッタ(pancetta) を作ってみる


パンチェッタ(pancetta) を作ってみる。市販品は単価が高いし ($29.99-39.99/lb)、ベーコンとの優位性が見出せず、塩辛くて、意外と熱してもguancialeほど脂がでない。要はイマイチ。



冷蔵庫で2週間置いとくだけで作れる方法で試作してみた。



作り方


  1. 豚バラ肉 (pork belly) に塩2:砂糖1の割合で刷り込み、ラップをして冷蔵庫に1週間おいて脱水させる。
  2. ラップを外して、冷蔵庫にさらに1週間おいて乾燥させる。


家庭版だと塩の調整が効くし、原価がpork bellyの値なので、ベーコンとほぼ同じ。予想より全然良いです。

長期保存はできないて、生食はNGなので、残りは冷凍保存。



2 つ作ってみて、1つは塩と砂糖だけ、もう1つはオレガノと黒胡椒も加えてみた。






パスタに使う前に単純に焼いて味見。一枚でご飯一膳食べれる。今日は基礎代謝の倍は使ったので大丈夫だろう😋



想像していたよりも全然美味しいです。これはまた次の塊を仕込んでおきたい。




卵焼きが下手になった😩