Sunday, April 5, 2020

東京都発表の新型コロナウイルス陽性患者数について (2020年4月5日時点)

ニュースで見れる情報でしか日本の様子はわからないのですが、直ちに国家が具体的かつ徹底的に措置を断行しないと、とんでもない状況になりかねないと思った。

「東京都 新型コロナウイルス陽性患者発表詳細」
https://catalog.data.metro.tokyo.lg.jp/d…/t000010d0000000068
に東京都福祉保健局が公開しているデータがあり、こちら↓にもダッシュボードがありますが、東京都での陽性患者数 "Number of Confirmed" (Total を選ぶ) が明らかな指数関数を描いている。
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/en


一般市民としては、Shelter-In-Place を徹底し、外出しないというのが最大の社会に対する貢献。他人から移るかもしれないというよりも、既に自身が罹患しているかもと仮定して他人に移したら迷惑千万であるという視点に立つべき。

COVID-19 のタチが悪いのは、潜伏期間が長く、自覚症状がない時点でも、次々に罹患させてしまう可能性が高いこと。さらに感染率も高く、インフルエンザよりも破壊力も高いことだ。金属の表面だと 72 時間程度ウィルスが生きるとも言われ、頻繁に複数の人が触るドアノブを触るとか、でも移ることが充分ありえる。

伝染病や疫病学は専門ではないので、発表されている数字を単純な数値モデル化しただけの予測になります(疫病学などの要素については全く加味していません)。東京都で 1 月 24 日の陽性患者の発生から 4 月 5 日までの実測値でいうと、毎日平均で 13.9% の増加をしており、ここから 1 日に増える陽性患者数が増えるのが明らか。

ニューヨークの例をみていると、増加割合はもっと速くなることもありえる。

まずはこちらが、東京都福祉保健局のデータ (赤点) と、それを指数関数でフィッティングしたもの (緑)。3 月 20 日くらいから増え方が加速しています。


指数関数が怖いのは、初期の部分は穏やかな直線的に増えてるように見えてしまい、「今日はOO人増えました」と聞いても、昨日や先週とたいして変わらへんやん、という感じてしまえるところです。

一旦ホッケースティックのように「J」型に姿を変え始めた時が心配です。すでに J 型になっているし。

この指数関数のモデルを更に延長して、5 月 10 日まで伸ばしたものがこちら。青い点線が予測値となります。


4 月 4 日までのデータでは、1日辺りの増加率が 13.6 % でしたが、4 月 5 日のデータを含めてモデル化すると、13.9% に増えました。わずか 0.3% の違いですが、それでもゴールデンウィーク明けの 5 月 6 日には、陽性患者数が 4.5 万人が 5.7万人に増える程の違いとして現れます。


直ちに、(i) ソーシャルディスタンシングの徹底 (国際単位系では 2m が妥当、ゴルファーなら 2 ヤード)、(ii) 買い物や個人での運動以外での外出の禁止、(iii) 記者会見は全てオンライン、などなどを国家や自治体が「お願いしたい」ではなく、生命を守るという観点から罰則も含め徹底的に実行する必要があるのではないか。

14 日間の潜伏期間という長ーーい時間遅れ要素があり、フィードバックが全く効果がない超スーパー不安定システムなのも明らかである。

事が発生するまでに未然に対策をとるフィードフォワード的な具体的な施策と実行が、国家レベルに早急に求められている気がした。


モデルについて

t = 日付, n = 類型の陽性患者数として、n = a * b^t としたすごく単純な指数関数モデルを 1/24/20 - 4/4/20 の区間でフィットした。

4 月 5 日までのデータで得られた最適解は:

a = 0.086
b = 1.139

つまり、1 日で前日の 13.9% 増加し、約 5.2 日で倍になる。今の時点で 1,000 人を超えたところなので、4月10日には倍の 2,000 人に到達するくらいの増加速度である。


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