Thursday, February 12, 2026

🍷ニューワールドの Cabernet Sauvignon はなぜ飲みやすいのか? | Realm Cellars, 2022 The Bard

 


同じ葡萄 (Cabernet Sauvignon、カベルネ、キャブ) でも味わいが違うのか?

よくいただく地元の Ridge, Monte Bello や Estate Cabernet Sauvignon と、大まかにまとめて Napa の Cabernet Sauvignon、全然違う。なんでかなぁと思って調べた結果でございます。


シリコンバレーに住んでいるとよく飲む葡萄の産地は、Santa Cruz Mountains とよばれる石灰岩の地層の山岳地帯 (Ridge や Rhys があるところ)。

あとは有名な Napa Valley。


二つの地域の距離としては、200 km くらいしか離れていないのだけど、味わいが全然違う。

とくに Bourdeaux Blend (ボルドー式のブレンド) については、別物。


① Santa Cruz Mountain: 瓶に詰めたばかりでは、渋み (tanning / タンニン) が強すぎて、未完成。10-30 年くらいは置いたほうが良い。作者に聞いたら 40 年後、と言われたものもありました (2013, Ridge, Monte Bello, Steep Terrace とか)。

② Napa Valley: 果実味より豊かで、若くても美味しくするする飲める。少なくとも私はそう思う。


違いの理由は、気候、地形、作り方のスタイルにあり。



(1) 気候

Santa Cruz Mountains

Napa Valley

冷涼・山岳

温暖・盆地

気温の寒暖差が激しく、標高 1000 - 1500 ft くらいは霧もかかりやすい。太平洋からの冷たい空気も入り込みやすい。

盆地、日当たり良好で、夏場は 40 ℃近い日も珍しくない。

ぶどうがゆっくりと熟する。

アルコール度数が低めで、酸味が強め。

糖度が高く、アルコール度数が高め。

カシス (ベリーの種)、赤系果実、清涼感、ハーブの香り

リッチで肉厚な味わい。熟した黒い果実 (プラム、ブラックチェリー)、チョコレート、バニラ



(2) 土壌の与える影響

Santa Cruz Mountains

Napa Valley

隆起した海洋性堆積物と石灰岩(Limestone

火山性土壌や、川が運んできた堆積土壌(オールビアル・ファン)

石灰岩の土壌由来の強いミネラル感

きめ細かく砂っぽい (dusty) と評されるソフトなタンニン

硬質なストラクチャー

土壌の複雑さが生む「層の厚い果実味」


(3) スタイル

特徴

Santa Cruz Mountains

Napa Valley

全体像

ボルドー (Bordeaux) 寄り

ニューワールドの王道

酸味

非常に高く、骨格がはっきりしている

穏やかで、口当たりがまろやか

タンニン

緻密で硬く、長期熟成に向く

滑らかで、若いうちから楽しめる

キーワード

エレガンス、酸、冷涼

(若い時は硬い)

パワー、完熟感、ダークチョコ、華やか




ニューワールドとは

  • 伝統的なワイン産地であるヨーロッパや中東以外の地域を指す。
  • ヨーロッパ(旧世界)から苗木や技術が伝わった先の国々を指します。Realm Cellarsがある北カリフォルニアは、まさにその代表格。
  • そういう点では Santa Cruz Mountains も然り。
  • ニューワールドの主な国々
    • 北米: アメリカ (カリフォルニア、ワシントン、オレゴン州)、カナダ
    • 南米: チリ、アルゼンチン、ウルグアイ
    • オセアニア: オーストラリア、ニュージーランド
    • アフリカ: 南アフリカ
    • アジア: 日本など?

オールドワールド(旧世界)との主な違い


単なる地理的な分類以上に、哲学とスタイルに大きな違いあり。



New World

Old World (Traditional)

味わいのスタイル

温暖な気候が多いためブドウが完熟し、フルーティーでリッチ、アルコール度数が高めなワインになりやすい。

比較的冷涼で、酸が高く、土っぽさやハーブのような複雑さ(terroir / 土地の個性、風土)を重視する傾向があり。

ブドウ品種 vs 土地

Cabernet Sauvignon, Charonney のように、ブドウの名前(品種名)を前面に出す。

ラベルに書いてあるので分かりやすい。

ボルドー、シャブリ、キャンティのように、土地の名前(産地名)で呼ぶ。その土地独自のルールを守ることが重視。

いまだに Boudeaux Burgundy くらいしか、葡萄品種に結びつかない 

ルールと革新

伝統に縛られず、最新技術(科学的な醸造、新しい樽の使い方、灌漑技術)を積極的に取り入れる。自由な発想で最高に美味しいブレンドを追求できるのが強み。

法律(フランスのAOCなど)によって、使えるブドウや栽培方法が厳格に決められている。何世代も続く伝統を守ることに重きを置く。




ニューワールドのワインは、最近の日本酒のモダンなフルーティーさに、どこか通じるものがあると思う。

最近はちょっと華やか / 甘みが強いものより、伝統的な酸味、旨みが強い昔ながらの日本酒が好きになりましたが。



私の好きな Rhone Style の Tablas Creek Vineyard も、フランスからアメリカへ苗を持ち込んでまさにニューワールドで、フランス原産の葡萄で上品なワインを作っている。やっぱ作り手はいろいろ試したくなるもんなんですね。

Tablas Creek Vineyard
9339 Adelaida Road, Paso Robles, CA 93446


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